apple candy
「夜神くん すごい人の多さですね 」
「まあ 結構有名なお祭だからね 」
「そうですか !! 夜神君!見てください!」
「ん?」
「カキ氷屋さんがあんなところに!」
「・・・それが?」
「はい」
「なんだ?その手は」
「300円ください 」
「・・・まさか竜崎 またお金を持ってきてないのか?」
「もちろんです 持ち歩かない主義ですから」
「!? 僕が財布を忘れていたらどうするつもりだったんだ?」
「愚問ですね 夜神くんが財布を持たずに出かけるなどありえません」
「・・・わかった 涎を垂らされても困るし貸してあげるよ 300円」
「ありがとうございます」
「倍にして返してくれ」
「・・・わかりました」
「冗談だよ はは」
『ハハ・・・』
Lは渡された小銭を摘んで、いそいそとカキ氷のもとへ歩いていった。
「まったく竜崎の奴 祭りに行きたいと言い出したくせにお金を持って来ないなんて!」
『図々しいヤツだな』
「前からだけどね」
『あ!ライト!リンゴがあるぞ!あれ買ってくれ』
「・・・お前も十分 図々しいよ リューク」
『棒に刺さっててうまそうだなー 』
「見た目ほどおいしいとは思えないけどね・・・」
「夜神くん!買ってきました」
「ああ じゃあ僕はたこ焼きを買ってくる」
『!? ライトー リンゴ飴は?』
「たこ焼きですか」
「よかったら竜崎にも買ってあげるよ 」
「いえ 私は夜神君の分をひとつ分けてもらえれば十分です」
「そう? じゃあ買ってくるよ」
「待ってください」
「!? なんだこの手は」
「はぐれてしまいそうなので手を繋いでいましょう」
「離せ!恥ずかしいだろう」
「平気ですよ この人込みのなか誰も見ていませんから」
『クククッ 俺は見てるぞ』
「竜崎のいうことにも一理ある が 手を繋ぐほどじゃない」
「では腕を組みますか?」
「もっと嫌だ!」
「このままか 腕を組むか 夜神くんが決めてください」
「ずるいぞ 竜崎」
「では腕を組んでカキ氷を食べさせてあげましょうか?」
「それは食べにくいだろう・・・わかった 竜崎 僕から離れないように服を掴んでいればいい」
「伸びてしまいますよ」
「多少は我慢する」
「引っ張って伸ばしますよ」
「なんでそんな嫌がらせばかりするんだ!僕たちは友達だろう」
「・・・では夜神くんが譲歩してこのまま ということで」
「カキ氷が溶けるんじゃないか?」
「夜神くんが食べさせてくれるのでしょう?」
「! もう竜崎なんか知らないからな!」
怒鳴ってライトは走り出そうとしたが、掴まれた手を振りほどけないまま前進し続けた。
『ライトー リンゴ飴は?』
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05.09.04