a good thing






「夜神君 これよかったら・・・」

「ん? テニスウェアか」

「はい ネットで見かけて夜神君に似合うと思ったので」

「へー・・・ここのメーカー気に入ってるんだ 肌触りもいいし伸縮性があってプレイしやすい」

「着てみてください」

「これ下が・・短くないか? さすがに恥ずかしいよ」

「私しかいませんから 大丈夫です」

「・・・流河が一番危ないんじゃないか 悪いけど・・・自分で使えば?」

「私には似合いません」

「そういえば テニスで試合したときも普段着だったね」

「夜神君は全身決まってましたが 買ったのですか?」

「ああ 中学の頃のは捨ててしまってて・・」

「私と戦うためにわざわざ すみません」

「別に・・流河のためじゃない 自惚れるな」

「・・・・・・試合の前日に肩慣らししていたこと 私知ってますよ」

「!? やけに詳しいじゃないか・・・また監視でもしてたのか?」

「いえ あの時は夜神君の後を付けてみました」

「おいおい流河 今度はストーカーかよ ははっ」

『ははっ』

「探偵と言ってください 人聞きの悪い」

「探偵だからといって何でも許されると思ってるのか!」

「・・・・・・」

「ちょ・・・こらっ 何して・・」

「穿いてもらえるまで 諦めません」

「脱がすなっ!」

「・・・夜神君!! これは・・・私があげた下着ですね」

「流河がくれたから穿いてるわけじゃないぞ! ただ・・・穿き心地が気に入ったからで・・」

「だったらきっとコレも気に入るはずです さあ」

「ふー・・・・今回だけだからな」 モソモソ

「何度でも穿いていいんですよ」

「・・・・・・どうかな」

「さすがは夜神君 似合ってます 今度はそれでテニス対決しましょう」

「人前ではイヤだ」

「残念です・・・・・」

「っ!? 流河!! どこ触って・・」

「私があげた下着を穿いてる夜神君をじっくり見させてもらいます」

「やめろ・・・!・・・・・・くっ」

『・・・・・・』















流河のくれた下着を穿いていたばっかりに、僕はまた流河の餌食になった。




「あいつと会うときはもう二度とあの下着は穿かないっ」

『絶対に穿かない とは言わないのな クククッ』

「・・・リューク 家までダッシュで帰れ」

『はぁ?』

「お前はだらけ過ぎだ たまには運動しろ」

『俺は死神だぞ そう簡単にライトの命令を聞いてはいられないぜ』

「リンゴ サービスで2個あげようと思ってたけど・・・いらないか そうか」

『リンゴ2個!? Bダッシュでも何でも走る・・・だからリンゴーーー!!』

「よし ・・・用意―――ドン!!」

『リンゴーーーーーー』

「あはははっ それで本気か? Bダッシュには程遠いな」

『ライトーー 着いたぞ 早くリンゴっ!』

「はいはい 今行くよ 面白いものが見れた」

『・・・・・こんなに頑張って走ったの初めてだぞ』

「飛んでるか歩いてるかだもんな リュークは」

『羽があればライトも飛ぶ方を選ぶだろ』

「あったらね ・・・そら」

『おおっ 愛しのリンゴ!!』

「死神もリンゴの前じゃ形無しだな・・・ははっ」


















同じ頃、ホテルの部屋でケーキを食べながら、
Lは次は何をライトに着せようかと考えを巡らしていた。


「学ラン・・・ライトに似合いそうだ 探してみよう」


懲りずに再びネットで買い物をするLの姿をワタリは微笑ましい面持ちで見つめていた・・。





 


04.06.06