「夜神君 あなたは上昇していくものは何だと思いますか?」
「!?」















tranquilizer















流河と名乗る男、Lの居るホテルの一室で休憩と称してお茶をしていると
突然、Lが抽象的な質問を投げかけてきた。


「・・・・・・流河の血糖値・・かな 」
「上昇し続けたら 死んでしまいます 」
「ああ  だから 甘いものは控えろよ 心配して言ってるんだ」
「そうですか  しかし私は甘いものを摂取しないと推理力は半減しますから 」
「はは  ・・流河から甘いものを取り上げてしまえば キラが勝つんじゃないか?」
「ええ  夜神君と居る時はなるべく摂るようにしています 」
「!!」

流河が僕のことをキラだと疑っているのは承知の上だ。
僕が勝つか、Lが勝つかのデスゲーム。
僕は死なない。
必ず勝ってみせる。
しかし、この僕が、流河には調子を狂わされて手を焼いている。
常に腹の探り合いが続いて、精神が磨耗していく・・・。


「ふーん 流河がケーキ食べるのは自分が食べたいからじゃなかったのか」
「それもあります」
「・・・ほんとは食べたいだけなんだろっ!」
「さすがは 夜神君です」
「・・・そんなことで感心されても嬉しくない」
「それは残念です」
「それより・・・じゃあ 流河は何だと思う?上昇していくもの」
「私は性欲です」
「は? 」
「夜神君と居ると上昇して仕方ありません」
「・・・・・・流河」
「はい 」
「僕をそう簡単には抱かせないよ」
「分かっています ただ私の要求を伝えたかっただけです」
「・・・・・・」



こいつ、本気で言ってるのか?
また、僕を抱きたいと―――。



「夜神君」
「!?」

ふいに近づいてきた流河の
濃いクマの浮かんだ大きな目は僕を見ながら、頭を右手で捕らえてきた。

「流河 自分がしゃぶっていた方の手で僕に触るな!汚い 」
「ひどいですね そう言うなら夜神君がキレイにして下さい」
「――――!!」

流河は自分の親指をライトの口中に捻じ込んだ。
咄嗟にその指を噛むが、
第二間接まで中に入ったソレは敏感な上側を擦る。

「っ!!」

刺激で緩んだ歯列を割って更に奥へと侵入する指先。


「ぐうっ 」
「舐めて 」
「・・んっ・・・」
「キレイにしてください」


Lがライトの太ももに圧し掛かり
抵抗しようと身を捩ってライトが腕で押し返そうとしたそのとき、
負荷にバランスを崩した椅子が斜めに傾いで二人の体はカーペットに落ちた。


「っつぅっ!」
「夜神君!! ケガはありませんか?」
「かはッ・・・・・・・・血だ 」
「私の指で傷付けてしまったようです 見せて下さい」
「確かに口の中が切れたのも背中を打ったのも流河のせいだけど・・・」
「だから 見せて下さい 」
「たいしたことないからいいよ」
「いけません 消毒しないと 」
「いい ・・・口の中が気持ち悪い ちょっとゆすいでくる」


Lは背中を向けたライトの手首を掴むと強引に引っ張り、
三人は座れそうなソファにひきたてた。

「ちょっ・・・乱暴だな」
「見せて」
「しつこい」


俊敏な動きで顎をものすごい力で捕らえたLは、ライトの口を開いて見ようとするが
歯を食いしばって思う通りにはさせないライト。

空いた手でライトの腿を往復させていたLはライトの急所を掴んだ。

「っ!?!」
「口 開けて下さい」

力の入れすぎで口の辺りが痺れてきたが、ライトはなおも首を横に振ろうとする。

カーゴパンツの中に手を差し入れたLは、ブリーフの上からライトを揉みだした。

「・・んっ・・・」
「反応していますね」
「くっ!」

切れ長の眼でLを睨み、そこを刺激する手を離そうと腕を捉えたとき、
ライトの急所を男にしか分からない痛みが鋭く走った。

「―――っ!!!!!」
「お仕置きです」


あまりの痛みにソファの上に崩れ落ち、うっすらと涙を浮かべるライトの口を
ようやく開かせることに成功したLは内の様子を観察した後、
舌を入れて丹念に中の血を舐めとる。

いつしかそれは深い口付けへと変わっていった。


「・・・やめっ・・・・はぁ・・・」
「また 痛い思いしたいですか?」
「!?・・・・やっ・・」


ふるふると小さく首を振るライトへの口付けはそのままに
先ほど痛めつけた部分に布一枚越しで触れる。
反射的にビクッと震えたライトの髪を撫でてやりながら、
今度は優しくソコを刺激していく。
形をなぞり、徐々に成長していくライトの分身を弄る。


「濡れてきましたね」
「ふっ・・・・っう・・・」
「パンツに染みができてしまいます」


いちいち状況説明するLを内心歯痒く思いながらも、
されるがままの屈辱を味わうライト。
先端の敏感な部分を円を描くように撫で回され、限界が近づく。


「はっ・・・りゅぅ・・も・・・っ」
「このまま一度出して下さい」
「!!だめっ・だ・・・下着が・・・・」
「どうせもう 汚れています」
「っくっ・・・はぁっ――――――――ぁっ!」


ブリーフを穿いたまま、Lの手でライトは果てた。



くたりと力の抜けたライトの下肢を裸に剥き、


「これからですよ 夜神君」


宣言したLはその夜、何度もライトを征服した。





















何度目かの絶頂で意識を手放していたライトがふと目を覚ますと、
いつの間に移動したのかベッドの上で、Lに背後から抱きしめられて横たわっていた。



交わって無理を強いられた体はだるさと痛みが残っているが、
頭の方はスッキリしている。
普段は安眠からかけ離れているが、
抱かれて疲れ果てて眠れば、うなされずに済むことにライトは気付いた。



だからどうしたと言うんだ?



こいつに触れられて反応するのは、生理的なものだ。
流河だから、じゃない。
だいたい、僕をあんな扱い方するなんて許せないっ。
こいつ・・・悠長に眠りやがって。

けれど
こうしてぐっすり眠れるなら、抱かせてやるのも悪くはない。
僕の体を気に入っているらしい流河に体を差し出し、
その代わりに僕は少しの快感と深い眠りを得る。
ギブ&テイク。
裏腹な僕達にはぴったりの関係だ。
そう思わないか。
なあ、リューク?










ささやかに生じた感情の変化を無視して、
抱きしめられたままライトは久し振りに穏やかな眠りについた。
































『やっぱり人間て 面白ー』






04.05.27